「孤狼の血」のあらすじと感想
あらすじ
昭和63年。暴力団対策法が成立する直前の、広島県の架空都市・呉原を舞台に、
刑事、やくざ、そして女が、それぞれの正義と矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う
生きざまを描くーー。
広島県の呉原では、暴力団組織が街を牛耳り、新勢力である広島の巨大組織・
五十子会系の「加古村組」と、地元の「尾谷組」が睨み合っていた。
ある日、加古村組の関連企業の社員が行方不明となる。
ベテラン刑事の刑事二課・大上章吾巡査部長は、そこに殺人事件の匂いをかぎ取り、
新米の日岡秀一巡査と共に捜査に乗り出す。
スタッフ・キャスト
・スタッフ
監督 : 白石 和彌
原作 : 柚月 裕子
脚本 : 池上 純哉
製作 : 天野 和人
・キャスト
大上 章吾 : 役所 広司
日岡 秀一 : 松坂 桃李
高木 里佳子 : 真木 よう子
嵯峨 大輔 : 滝藤 賢一
岡田 桃子 : 阿部 純子
毛利 克志 : 瀧川 英次
一之瀬 守孝 : 江口 洋介
加古村 猛 : 嶋田 久作
野崎 康介 : 竹野内 豊
五十子 正平 : 石橋 蓮司
瀧井 銀次 : ピエール 瀧
上映時間 : 125分
映画の感想
・豪華キャストが繰り広げる、やくざ抗争&警察との三つ巴バトル!
私は、やくざ映画はあまり好きではありません。
任侠映画世代ではなく、Vシネ系もまったく見ないので、これまで観たのは
北野武監督の「アウトレイジ」シリーズぐらいでした。それも、私としては、
全く面白くなくて、好きな映画ではありませんでした。
ですが、この「孤狼の血」はとても面白く観れました。
やくざとの癒着を疑われる、悪徳刑事役の役所広司は、良い人の役柄よりも、
こういうアブナイ人を演じるほうが似合うと思います。
冒頭にある、取調室でのMEGUMIとの怪しい事情聴取シーンから、エロくてアブナイ
「黒・役所」の魅力があふれています。
相棒である、マジメな新人刑事を演じる松坂桃李は、表情が乏しくて必ずしも演技に
惹きこまれることは無いですが、大上の無法ぶりや警察内部の裏事情に虚無感を感じ、
徐々に壊れて荒れていく役柄に結構ハマってました。
それと、ストーリーのメインで語られる、やくざ同士の抗争シーンでは、
竹野内豊や江口洋介などの二枚目俳優や石橋蓮司などのベテラン俳優が、広島弁で
リアリティーたっぷりに、エグくてシブく演じているので、惹きこまれてしまいます。
また、警察にも色々なベテラン俳優が活躍していて、滝藤賢一が結構悪い役で出て
いたり、「警視庁捜査資料管理室」の瀧川英次も呉原東署長として何度も登場して
います。
ちなみに、ピエール瀧が重要な役柄で出ていますので、今後観ようと思ったら
有料チャンネルや動画配信サイトでしか無理かも知れませんね。
(R+15指定だから、地上波では元々無理だったかも知れませんが。。)
・どぎつい話ですが、観ておいて損はないかと思います
ただ、注意点としては、冒頭の豚小屋シーンをはじめ、どぎついシーンや
食欲が減退するシーンがふんだんにありますので、そういう話が苦手な人や、
食事をしながら観るのはオススメしません。。
映画のラストシーンも、私としてはスッキリと満足する終わり方で、良かった
と思います。
松坂桃李と男女の関係になる、薬局の女・阿部純子についてラストで分かる裏の顔も
なかなか良いと思いました。
任侠モノや、ただのノワール映画は苦手な方も、
この映画は気に入って貰えそうな気がしました。