「伝説巨神イデオン」(ロボットアニメ、SF、あらすじとネタバレ)
あらすじ、解説
西暦2300年代、地球の植民惑星ソロ星。
そこに、伝説の無限力「イデ」を求める異星人のバッフ・クランの探索隊が接近していた。
やがて、高官の娘・カララが先行してソロ星に降り立ったことをきっかけに、両者は
交戦状態に入ってしまう。突然の異星人の攻撃にパニックに陥るソロ星の人々。
そんな中、ソロ星の少年・コスモや研究者・シェリルらが乗った、古代遺跡から発掘
された巨大メカが、意思を持つかのように動き出す。
それが、伝説の巨神・イデオンだった。
母星を知られる恐怖から、さらに攻撃を続けるバッフ・クラン。
混乱の中、もうひとつのメカも始動する。イデオンの母船・ソロシップだった。
バッフ・クランの追撃を逃れるため、ソロシップは宇宙へと逃亡の旅に出る。
乗り込んだのは、イデオンのパイロットとなった、コスモやカーシャ、リーダーの
べス、そして異星人のカララたちだった。
未知のエネルギー・イデによって動くイデオンとソロシップは、時に意のままになら
ない。だが、危機に陥ったときには、思いがけない力を発揮してバッフ・クランを撃滅
する。その正体はなにか?それは伝説の無限力なのか?
バッフ・クランもまた、多くの犠牲を出しつつも、ソロシップ追撃の手を休める
ことがない。やむなく、補給とイデ研究のために地球に救援を求めるソロシップだが、
異星人との接触を恐れた地球はそれを拒否する。わずかに残された月面基地で補給する
ソロシップだったが、そこにもバッフ・クランの追撃の手が伸びる。
もはや、ソロシップに安住の地はないのか。
人は分かり合えるのか?憎しみに終止符は打てるのか?
そして、イデとはなにか・・・。
壮大なテーマのもと、個性豊かなキャラクターたちが錯綜する宇宙の叙事詩。
メインスタッフ
メカニカルデザイン:サブマリン
音楽:すぎやまこういち
総監督:富野喜幸
メインキャスト
ユウキ・コスモ:塩屋翼
ジョーダン・べス:田中秀幸
イムホフ・カーシャ:白石冬美
フォルモッサ・シェリル:井上遥
カララ・アジバ:戸田恵子
ギジェ・ザラル:林一夫
解説と感想(ネタバレあり)
・「伝説巨神イデオン」のオススメポイント
最近、YAHOOニュースになったり、ジャンボソフビフィギュアが発売されたり、
何かと話題になっている気がする「伝説巨神イデオン」。
原作&監督である富野喜幸(由悠季)さんの、これまでの仕事をまとめた展覧会
『富野由悠季の世界」展が開催されていたり、マツコ・デラックスさんの番組に
富野監督が出演したことも、注目を浴びている原因の1つかも知れません。
私も、小学生の頃にTV版と映画版を観て、「機動戦士ガンダム」とは違うSF要素
と重厚な人間ドラマの虜(とりこ)になったものです。
むしろ、「ガンダム」よりも私の生き方や考え方に与えた影響は大きい作品です。
そんな「イデオン」のオススメポイントは以下の3つです。
・多彩なキャラクターによる人間ドラマ
衝撃的なラストシーンもさることながら、各ストーリーに余計な部分が無く、
大人になっても何度も観ることができます。
異星人とのささいな行き違いから戦闘が始まってしまう不幸なコンタクトから始ま
るストーリーは、お互いの憎しみと悲しみ、そして赦し合うことを描いてもいます。
また、親子や兄弟・姉妹で血が繋がっているが故の憎しみや、男女の愛憎劇も
子供向けロボットアニメらしからぬ内容が展開されます。
・独特なデザインのロボットとSF設定
富野監督が酷評した主役メカのイデオンですが、私はけっこう好きです。
前半は目立った武器を持たないことから、パンチやキックといった肉弾戦で
バッフ・クランと闘うのですが、その際に頭部と腕部だけを分離して闘う、とか。
またバッフ・クランの重機動メカも、いかにも異星人っぽい異形もロボットなのが
個人的には気に入ってました。
・壮大なテーマにピッタリのBGM
ED曲:コスモスに君と(歌ー戸田恵子)
ともに、作詞=井萩麟(富野監督のペンネーム)、作曲=すぎやまこういち
また、劇中のBGMも素晴らしく、BGM集はオペラを聞いているようです。
・主要キャラクター
人間ドラマを織りなす、多彩なキャラクターたちを紹介します
<地球側>
ユウキ・コスモ(16歳):赤毛のアフロ頭という、インパクトのあるビジュアル
で、アムロとは違って若さゆえの熱い激情で戦う少年(上の映画ポスターで、最上部
に描かれている)。
ソル・アンバー(イデオンの頭部+腕部)のメインパイロットで、合体したイデオン
でもメインパイロットになる。
地球人を殺戮したバッフ・クランを憎み、カララに辛くあたることもある。
後に、カララから輸血されている際に「イデ」からメッセージを受ける。
ジョーダン・ベス(18歳):ガンダムでいう、ブライトの位置づけの若い士官で、
生き残ったソロ星の人々が逃げ込んだ、宇宙船ソロシップの指揮官となる。
初期は、ソル・バニア(イデオンの胴体部)のパイロットでもあった。
バッフ・クランの異星人であるカララと恋に落ち、カララは身籠ることになり、
その子=メシアはラストで新たな人類の始祖となります。
イムホフ・カーシャ(17歳):男勝りで、コスモとはケンカしながら仲が良い
関係。ラストにはお互いの感情に気付き、キスしようとするが。。
ソル・コンバー(イデオンの脚部)のパイロットで、合体したイデオンでは主に
ミサイルを担当する。
フォルモッサ・シェリル(18歳):ソロ星に存在した「第6文明人」の遺跡を
研究しており、ソロシップに乗り込んだ後は「イデ」の研究に取り組む。
後に、バッフ・クランのギジェと恋に落ちるが。。
パイパー・ルウ(1歳):バッフ・クランの襲撃で両親を失った子供たちのなかで
最年少。その純粋な防衛本能が「イデ」の発動条件となり、ソロシップの人々を
救うことになる。ラストでは、メシアとともに唯一生き残り、新たな人類の始祖
となる。
<バッフ・クラン>
カララ・アジバ(17歳):バッフ・クランによるソロ星襲撃の原因となった
元凶。そのままソロシップに乗り込み、地球人から憎まれるが、ベスと恋に落ち、
地球とバッフ・クランとの戦いを止めようと努めることで、地球人から受け入れ
られることになる。しかし、実の姉のハルルからは憎まれており、最終決戦で、
その凶弾に斃される。。
ギジェ・ザラル:カララの許嫁だったが、出世のためで愛情はなかった。ソロ星
=ロゴ・ダウでの「イデ」探索隊の隊長であったが、イデオンに負け続けたため
失脚し、傭兵部隊に拾われるもこれも全滅した。生き残ったギジェは、ソロシップ
に潜入し、シェリルの庇護によってソル・バニアのパイロットになる。
しかし、ソル・バニアのパイロットの宿命(?)から、イデオン・ソードの輝き
を見つめながら戦闘中に命を落とす。
ハルル・アジバ:バッフ・クラン宇宙軍総司令のドバ・アジバの長女で、カララの
姉。女ながらに武人として振る舞い、女性らしいカララにコンプレックスのような
憎しみを抱いている。
ドバ・アジバ:バッフ・クラン宇宙軍総司令で、現在の大帝ズオウに対抗するため
無限力「イデ」を手に入れようとしている。
争いと止めようとするカララを拒絶し、コスモとも「イデ」の力を介して対話する
が、自らのエゴのために分かり合おうとしなかった。
「イデ」による全人類絶滅を決意させた張本人。
ロボット(フィギュア)の紹介と音楽の紹介に
ついては、次回行いたいと思います。
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