「検察側の罪人」のあらすじと感想(少しネタバレ)
あらすじ
都内で発生した殺人事件。犯人は不明。事件を担当する検察官は、東京地検刑事部の
エリート検事・最上と、刑事部に配属されてきた駆け出しの検事・沖野。
最上は複数いる被疑者の中から、一人の男に狙いを定め、執拗に追い詰めていく。
その男・松倉は、過去に時効を迎えてしまった未解決事件の重要参考人であった人物
だ。
最上を師と仰ぐ沖野は、被疑者に自白させるべく取り調べに力を入れるのだが、松倉
は犯行を否認し続け、一向に手応えが得られない。
やがて沖野は、最上の捜査方針に疑問を持ち始める。「最上さんは、松倉を犯人に
仕立て上げようとしているのではないか?」・・・。
互いの正義を賭けて対立する二人の検事。彼らの戦いに待ち受けていた決着とはーー。
スタッフ・キャスト
・スタッフ
監督 : 原田眞人
脚本 : 原田眞人
原作 : 雫井脩介
・キャスト
最上毅 : 木村拓哉
沖野啓一郎 : 二宮和也
橘沙穂 : 吉高由里子
松倉重生 : 酒向芳
諏訪部利成 : 松重豊
上映時間 : 123分
↓ 原作小説も紹介します
映画の感想(ネタバレも少しあります)
・2時間では描き切れていない。。
原作小説は読んでいないのですが、話を詰め込んで消化しきれないままに終わって
しまったのではないか、と思ってしまいます。
最上=木村拓哉が、汚職疑惑で逃亡中の国会議員で、大学の友人である丹野=平との
関わりも、メインストーリーと並行して描いているのですが、これが背景や思い入れが
よく分からないままでした。上下巻に分かれている小説では、もっと詳しく絡んでくる
のでしょうが、短い時間で描くのは無理があったのではないでしょうか。
メインとなる、老夫婦殺人事件とその被疑者となる松倉vs検察のことをしっかりと
描くだけで良かったのかな、と感じました。
なんせ、松倉を演じる酒向さん(上の写真で、右端列の上から3番目)が本当に
憎らしくて気持ち悪い、根っからの悪人を演じているので、その対決だけではダメ
だったのでしょうか?
また、最上が松倉への復讐として裁判で有罪にすることに拘る理由も(映画を観る
限り)ピンときません。どうせ、罪を犯すなら、松倉に直接手を下せば良いの
では???と思ってしまいました。
他にも、諏訪部=松重が最上に手を貸す背景が分からず、もう1つ合点がいかない
ストーリーでした。
最上が、自分の信じる正義の為に暴走していくシーンなどはそれなりに見どころも
ありましたので、焦点を絞ってうまくまとめて欲しかった、と思いました。
・原作とは異なる結末らしい
らしい、というのは、前にも書いている通り、私は原作を読んでいません。
ちょっと、映画の終わり方が気になったので、ネット検索して見つけた小説のラスト
と映画のラストが異なっていました。
どちらが良い、ということは人それぞれなので言えないですが、個人的には結末は
映画版のほうが良かったかな、と思います。
小説版が好きなかたは、木村拓哉の希望かジャニーズへの忖度で変わってしまった、
とガッカリするかも知れません。
ですが、小説版は救いが無くて後味が悪そうなので、一般受けするのは映画版なので
しょう。
京都アニメーション放火テロの犯人もそうですが、人間
が決めた法律だけを根拠に犯罪者を野放しにすることが
「正義」なのか?という命題を考えてしまいます。
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