「ダンケルク」のあらすじと感想(ネタバレあります)
あらすじ
フランス北端ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士。
背後は海。陸・空からは敵――そんな逃げ場なしの状況でも、生き抜くことを
諦めないトミー(フィオン・ホワイトヘッド)とその仲間(ハリー・スタイルズ)ら、
若き兵士たち。
一方、母国イギリスでは海を隔てた対岸の仲間を助けようと、民間船までもが動員
された救出作戦が動き出そうとしていた。民間の船長(マーク・ライランス)は
息子らと共に危険を顧みずダンケルクへと向かう。
英空軍のパイロット(トム・ハーディー)も、数において形勢不利ながら、出撃。
こうして、命をかけた史上最大の救出作戦が始まった。
果たしてトミーと仲間たちは生き抜けるのか。勇気ある人々の作戦の行方は!?
スタッフ・キャスト
・スタッフ
監督 : クリストファー・ノーラン
脚本 : クリストファー・ノーラン
音楽 : ハンス・ジマー
製作総指揮 : ジェイク・マイヤーズ
・キャスト
トミー : フィオン・ホワイトヘッド
ピーター : トム・グリン=カーニー
コリンズ : ジャック・ロウデン
アレックス : ハリー・スタイルズ
ミスター・ドーソン : マーク・ライランス
ファリア : トム・ハーディ
上映時間 : 106分
映画の感想(ネタバレもあります)
・面白い/面白くない、の評価がかなり分かれそうな映画
まず、「ダンケルクの戦い」というものを、ほとんどの日本人は知らないと思い
ます。第2次世界大戦のヨーロッパ戦線を題材とした映画は、過去にも何本も製作
されています。最近でも「プライベート・ライアン」や「バンド・オブ・ブラザーズ」
のように、ノルマンディー上陸作戦などの反攻戦はよく知っていますが、今回の
「ダンケルクの戦い」は初耳でした。
この映画も、予備知識を持たずに観ると、「プライベート・ライアン」のような
目立った戦闘シーンが無くて、兵士が船に乗っては沈められて、何が描かれている
のか、訳が分からないまま終わってしまうのではないでしょうか。
映画は、陸(海岸)と海(民間船)と空(イギリスの有名な戦闘機・スピットファイ
ア)の3つにシーンが、切れ切れになって淡々と映し出されます。
それぞれ、陸=1週間・海=1日・空=1時間の話を交互に見せているため、時間
感覚もよく分からなくなります。映画では、日付も時間も示されないので、事前に
分かっていないと訳が分かりません。
しかし、兵士たちやイギリスからの民間船団が、それぞれ1人でも多くを救い出そう
とし、また生きて故郷に帰ろうと必死に生きる姿を、淡々と俯瞰的な視線で描いている
点については、観る価値はあるかも知れません。
私個人の好みで言えば、クリストファー・ノーラン監督作品は好きですが、この
映画は絶対に観ておくべき映画、という訳ではなかったと思います。
・ダンケルクの戦いとは、、
ダンケルクの戦いというのは、イギリスやフランスなどの連合軍がドイツ軍に
敗れて、フランスのダンケルクという海岸で包囲された状態から、イギリス本土へ
撤退した戦いです。
この戦いの意義としては、もしこの戦いで兵士たちの撤退が出来ず、ドイツ軍の捕虜
になるか全滅していたとしたら、第2次世界大戦はドイツ軍が勝っていたかも知れま
せん。それは、訓練された人的資源と連合軍の士気が共に失われる結果になったかも知
れないからです。
逆に、この戦いで30万人以上の兵士たちがイギリスに逃げることが出来たため、
後のノルマンディー作戦などの大反攻戦が実行出来たと言えます。
イギリスから兵士を救うためにやってくる、ボートなどの民間の船舶の協力もあり、
失われかけた人命が救われ、同時に国威高揚もされたのでしょう。
あと、飛行機好きであれば、イギリス空軍のスピットファイアが、ドイツ爆撃機に
よる救助船への攻撃を撃退する空中戦に満足するのではないでしょうか。
燃料が無くなるまで友軍を援護し続け、最後には敵に拿捕されないように自機を
燃やしたうえで、ドイツ軍の捕虜になるファリアは実にカッコ良かったです。
ぶっちゃけ、この映画のマトモな戦闘シーンは、
この空中戦ぐらいです。
珍しい戦争映画だと思います。