『コリーニ事件』のあらすじと感想
(エリアス・ムバレク、フランコ・ネロ、アレクサンドラ・マリア・ラーラ、マンフレート・ツァパトカ、マルコ・クロイツパイントナー、サスペンス、ミステリー、洋画、ネタバレ、キャスト・スタッフ、WOWOW映画)
あらすじ(WOWOWホームページより転載しました)
トルコ人を母親に持つ新人弁護士ライネンは、殺人事件の容疑者コリーニの国選弁護人を引き受けるが、なんとコリーニが拳銃で射殺した大物実業家ハンスはライネンにとって、少年時代からの恩人だった。ライネンはコリーニと面会するが、なぜかコリーニは動機について一切語ろうとしなかった。果たしてマイヤーとイタリア人コリーニにどんな関係があるのか。法廷でもコリーニに不利な状況が続き、ライネンは頭を抱えてしまうが……。
※WOWOWの映画紹介ページです。
スタッフ・キャスト
・スタッフ
監督 : マルコ・クロイツパイントナー
原作 : フェルディナント・フォン・シーラッハ
脚本 : クリスティアン・チューベルト 、 イェンス=フレデリク・オットー
撮影 : ヤクブ・ベイナロヴィッチュ
音楽 : ベン・ルーカス・ボイゼン
・キャスト
カスパー・ライネン : エリアス・ムバレク
ファブリツィオ・コリーニ : フランコ・ネロ
ヨハナ・マイヤー : アレクサンドラ・マリア・ラーラ
リヒャルト・マッティンガー : ハイナー・ラウターバッハ
ハンス・マイヤー : マンフレート・ツァパトカ
上映時間 :123分
映画の感想(少しだけネタバレもあります)
・戦争が残した傷跡は何年経っても癒えることは無い…
観たい映画が溜まっているのに、なかなか落ち着いて観ることが出来ず焦ってます。。今回は、久しぶりの洋画で、『コリーニ事件』という作品を観ました。最近は本を読まなくなってしまったので知りませんでしたが、ドイツのベストセラー小説が原作のリーガルサスペンスです。題名は平凡ですが、内容は深みがあって考えさせられる物語でした。
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映画のストーリーとしては、冒頭に起きる殺人事件の犯人を弁護することになった、新米弁護士のライネン。事件は、ライネンの恩人でもある実業家・マイヤーが、宿泊するホテルのスイートルームで訪ねてきたイタリア人・コリーニに銃殺される、という内容でした。しかし、明らかに犯人であるコリーニは、何も語らず殺人を犯した理由を明かそうとしません。弁護士であるライネンは、恩人を殺害した犯人に対する複雑な感情を抱きながらも、事件の真相となる”殺害動機”を探ろうとします。
この動機こそが、この映画の”キモ”ですので、言いたいけどネタバレせずに実際に観て欲しいと思います。ライネンが図らずも暴いてしまった恩人の過去の汚点と、ドイツの法律が生み出してしまった悲劇が、次々と明かされていくラストの展開は法廷ものの醍醐味でしょうね。
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少しだけ、ネタバレになってしまいますが、ドイツの作品ということで、やはり第2次世界大戦でのナチスの愚行がこの作品でも根底にあります。そして、当時はナチスの青年将校だった被害者のマイヤーも、戦後には実業家として立派な人物となっていました。主人公のライネンは移民なのですが、人種差別することなく親代わりに接していたほどです。そんな人物でも、戦争になってしまうと疑問を持たずに人の命を軽んじる愚行を犯してしまいます。今、ウクライナ戦争で目にしているロシアによる愚行も、実際に行動している兵士達は疑問を持たずにいるのでしょう。しかし、戦争というモノは、被害者にも加害者にもキズを残し、何年経っても決して癒えることがありません。一握りの人間たちによる意地の張り合いとか狂気の暴走が、数えきれない悲劇を産み出してしまう。決して起こしてはいけないモノだと、改めて思います。
意外な展開や人間ドラマがあり、エンターテイメント性もある法廷サスペンスの秀作でした。
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