「どろろ」#11、#12のあらすじと感想(少しネタバレもあり)
第11話 「ばんもんの巻・上」 のあらすじ
醍醐の領内に入った、どろろと百鬼丸は、国境の砦跡地に残る、
1枚の巨大な板塀「ばんもん」の存在を聞く。
百鬼丸は、「ばんもん」に現れる狐の鬼神と対峙するのであったー。
感想
・今回は、百鬼丸の因縁を巡る物語
今回と次回は、前後編で百鬼丸と因縁の家族が邂逅する話です。
百鬼丸にとっては、辛い現実を突きつけられることになります。
前回、百鬼丸と出会った多宝丸。
強大なカニの妖怪を楽々と退治する百鬼丸の強さには、侍として腕の立つ兵庫と陸奥
も驚きを隠せません。
醍醐の国に帰った早々、城主である醍醐景光に、百鬼丸のことを報告します。
川に流して死んだはずの、鬼神の生贄にしたはずの百鬼丸が生きていることを
確信した景光は、醍醐の国の繁栄を守るため、百鬼丸の命を奪うことを決めたの
でした。
一方、醍醐の国にやって来た、どろろと百鬼丸。
豊かで栄えている醍醐の国で、隣国・朝倉との戦によって、母親と生き別れた
助六という名の男の子と出会います。
助六と母親を再会させようと、国境にある板塀に憑りついた妖怪・ばんもん
を退治することを引き受けます。
「ばんもん」は漢字で書くと「板門」でしょうか。
醍醐と朝倉の国境にあり、国境を越えようとする人々を殺しては、見せしめに
板に張りつけている間に、九尾の狐のような狐火の妖怪が憑りついたのでした。
ところで、韓国と北朝鮮の停戦後の軍事境界線が、「板門店」といいますので、
この名前から手塚治先生が連想されたのでしょうか。
高くそびえる板は、「ベルリンの壁」も連想してしまいます。
壁一枚で、人々を隔ててしまうことは、無垢な人々を苦しめることを伝えたかった
のかも知れません。
第12話に 続きます。
第12話 「ばんもんの巻・下」 のあらすじ
我が子を鬼神に差し出した、景光。
奪われた身体を取り戻さんとする、百鬼丸。
今、二人は、運命に引き寄せられるように向かい合う。
感想
・家族との出会いと別れ。。
多宝丸は、両親である、景光と縫の方から、兄である百鬼丸の出生にまつわる
恐ろしい事実を聞かされます。意外とイイ奴である多宝丸は、正義感から鬼神たちの
眠る寺のお堂に乗り込みますが、鬼神の恐ろしい力を感じ、父親・景光の選択に
従うことを決意しました。
ばんもんの前で、百鬼丸を殺そうと配下の軍勢とともに百鬼丸と対峙する、
景光の前に多宝丸と縫の方も登場し、家族そろって百鬼丸に言い放ちます。
醍醐の国の繁栄のため、大人しく鬼神のいけにえとなり、生きることを諦めろ、と。
まさに、マキャベリズムですね。
オーベルシュタイン提督なら、喜んで賛同するでしょうが。。
初めて会った、家族と感じていた両親と弟から、これを言われると哀しいです。
百鬼丸に芽生え始めていた、人としての心が壊れてしまわないか心配です。。
・ばんもんの前で修羅場が、、
それでも百鬼丸は、本能のように戦います。
どろろと助六を守るため、ばんもんの妖怪・九尾の狐火を倒しながら、
襲いかかる多宝丸も、格の違いで切り伏せて片目に傷を負わせます。
罪の意識に苛まれた縫の方は、小刀で自分を刺して償おうとします。
景光は、テンパってしまって、家族みんなで逃げ出しました。原作では、
ばんもんの回で多宝丸は死んでしまうようなのですが、リメイク版は展開が
結構違っているようです。
景光と多宝丸のリベンジはどのような手で来るのでしょうか。
びわ法師が、鬼神の眠る寺のお堂で感じた、まだ目覚めていない鬼神
の存在はとても気になるところです。
今回、鬼神を倒したのですが、百鬼丸がどの身体の部分を取り戻したのか
出てきませんでした。次回の序盤に描かれるのでしょうか。
第13話に続きますーー。