「バビロン」あらすじと感想(アニメ、少しネタバレ、最終話、善悪とは何か)
第12話「終」のあらすじ
自殺サミットを開催した齋からアレックスへの要請。それは、自殺をすべきか思い悩む一人の少女との対話だった。深い思慮の果てに、善悪の真理に近づきつつあるアレックスは少女との対話に応じる。
悪を止める覚悟をした正崎は、齋の誘いを不審に思い支給された銃を握りしめる。全世界が注目する中、静かにそして確実に曲世の手は二人へと伸びていた。
※画像は全て「バビロン」公式HPより転載しました
よろしければ、前回の記事もご覧ください
原作小説も紹介します
感想(少しネタバレあります)
・モヤモヤした感じで終わります。。
いよいよ最終回で、少女の姿をした曲世愛とアメリカ大統領のアレックスが、自殺することの善悪について直接(通訳を介してですが)対話することになりました。それまでにも、”善悪とは何か”について考え続けていたアレックスは、その答えに辿り着くまで待つよう少女に話すことで、一旦は自殺を思いとどまらせることに成功しました。
ところが、直後に遂に”善いこと”の答えに辿り着いたアレックスの耳に、通訳ではなく曲世愛の声が直接語りかけます。その声は、アレックスだけでなく通訳したFBI捜査官・ハーディ達やイヤホンで繋がった警備員達にも届いており、彼らは正崎の目前で次々と自殺してしまうのでした。
そして、アレックスもまた自殺の衝動に駆られてしまいます。彼の自殺を止めるために正崎がとった行動とは…?そして、正崎の運命は!?実際に、アニメを見てご確認ください。
結局、”善悪とは何か”の答えに辿り着いても、曲世の魔力に打ち勝つことは出来ず、曲世の思いのままに相手を自殺に追い込むことが出来るようです。残念ながら、まだ大淫婦バビロンは「神の裁き」を受ける時では無いということでしょうか…。
また、曲世の目的もあんまりハッキリとしないまま、自殺法が拡がっていく世界の未来もよく分からないまま、モヤモヤとした終わり方でした。
まぁ、こういうラストもあるとは思いますけど、あんまり好きではないですね。
・『善悪とは何か』の答え
〝善悪〟とは何かの答えに、アレックス大統領と正崎善は辿り着きます。その答えとは、善いこと=続くこと/悪いこと=終わること、でした。その判断基準で考えれば、自殺法は生命活動が終わることであり、その連鎖は人類という種が終わること、になるので”悪いこと”でしょう。その答えが「正しい」と分かっていても、アレックスは自殺衝動に駆られてしまいました。また、正崎も悪=曲世愛を殺すことは出来ませんでした。それでは、この”答え”が間違っていたのでしょうか?
私なりに、その答えを考えてみたのですが、やはり「善いこと=続くこと」だけでは不十分な気がします。続くことを第一に考えることが、自分(の遺伝子)を守ろうと自己中心的な生き方になり、他者との争い等が起こるのではないか、と思います。
フィリップ・K・ディックの小説『ヴァリス』を読んでグノーシス派に興味を持っている私が考えた答えは、「善いこと=自身の肉体からの欲望に打ち勝つこと」で、「悪いこと=自身の肉体の欲望のままに生きること」です。まぁ、私も答えが分かっていても、聖人ではないので善いことをし続けることは出来ていないんですけどね…。
原作も、あまりスッキリと終わっている訳では無いようなのですが、この作品に続編はあるのでしょうか?
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