『鎌倉殿の13人』(第47話、第48話)のあらすじと感想
(小栗旬、坂口健太郎、小池栄子、三谷幸喜、大河ドラマ、NHK、歴史、ネタバレ、『進撃の巨人』、エレンに似ている)
第47話「ある朝敵、ある演説」(公式ホームページより転載しました)
幕府の後継者争いが発端となり、乱れる京。朝廷の象徴である内裏が焼け落ちると、後鳥羽上皇(尾上松也)は再建費用を日本中の武士から取り立てることを決める。しかし、北条義時(小栗旬)は政子(小池栄子)と大江広元(栗原英雄)の支持を得て、要求を先送りにすることを決断。泰時(坂口健太郎)をはじめ御家人たちが後鳥羽上皇との関係悪化を心配する中、三浦義村(山本耕史)は京で大番役を務める弟・胤義(岸田タツヤ)に……。
第48話「報いの時」(公式ホームページより転載しました)
反目する北条義時(小栗旬)を討ち取るため、義時追討の宣旨を出し、兵を挙げた後鳥羽上皇(尾上松也)。これに対し、政子(小池栄子)の言葉で奮起し、徹底抗戦を選んだ幕府は、大江広元(栗原英雄)や三善康信(小林隆)の忠言を聞き入れて速やかに京へ派兵することを決断。泰時(坂口健太郎)、平盛綱(きづき)らが先発隊として向かい、時房(瀬戸康史)らが続く。そんな中、三浦義村(山本耕史)は弟・胤義(岸田タツヤ)と……。
※NHKの公式ホームページの紹介です。
感想(少しだけネタバレもあります)
・ラスト2話は三谷作品らしさが満載でした。
今回は、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の感想記事を2話ずつまとめて書いていきます。前回の感想記事で「最終話はリアルタイムで観たい」とか言いながら、「M-1グランプリ」を観てしまいました。でも、あの内容だったらむしろこちらをリアルタイムで観ておけば良かったかな…。
特に、こちらの『鎌倉殿の13人』の第47話と第48話は、歴史上も事件である「承久の乱」の前後と、それに続く主人公の北条義時(小栗旬さん)の最期が描かれましたが、そのドラマチックな展開と随所に織り込まれる三谷作品らしいユーモアと人物愛が素晴らしかったと思います。まぁ、”乱”と言いながらも相変わらず合戦シーンは比較的あっさりでしたけどね^^;。
※第44&46話の感想記事もよろしければご参照ください
第47話と第48話を観た感想としては、後鳥羽上皇(尾上松也さん)の”北条義時憎し”という感情が憎悪となり、遂には「義時追討」の宣旨が出されました。それは有力な鎌倉武士にも届くこととなり、相変わらずウラで暗躍しがちな男・三浦義村(山本耕史さん)にも届きます。そして、やっぱり機会があれば義時を裏切ってやろうとするのですが、お約束通りに運命は義村と鎌倉幕府に味方しますので、義村はあっさりと京も弟も見捨てて義時側に寝返ります。そのことを問い詰められてカミングアウトするシーンが笑えます。何よりも義時を驚かせたのが、「女子はきのこが好き」は口から出任せだったことでした。「早く言って欲しかった~」のセリフが源頼朝(大泉洋さん)とソックリでしたね(笑)。
「承久の乱」は義時の嫡男・北条泰時(坂口健太郎さん)や北条時房(瀬戸康史さん)が率いる圧倒的な兵力と泰時の見事な采配により勝利を収めます。”後鳥羽上皇を島流し”とし、もはや日本では敵無しとなった北条義時でしたが、妻であるのえ(菊地凛子さん)の逆恨みにより毒を盛られてしまいました。3番目の妻を演じるのが菊池凛子さんである意味がよく分かるような、恐ろしい憎しみを浮かべた形相でしたね。
そして、義時の最期は、三谷さんらしいミステリドラマを観ているようでした。このとき、政子はなぜ義時に延命の薬を与えず、弟を見殺しにしたのか?個人的には、それは運慶が作った義時を写した仏像を観ていたから。それはヒトでは無く”闇に堕ちたモノ”の姿をしていました。源頼朝から鎌倉を託された生真面目な弟は、愛する北条の身内と鎌倉を守るために、闇に堕ちてしまうほど自らを犠牲にしていたことを悟ってしまった。そして、これまでの世界を変えるほどの大罪=上皇を島流しにした後も、休まることなく彼の手を血で染めて地獄へ落ちようとしている。政子(小池栄子さん)は、義時の生を終わらせることで彼の魂を解放して安らぎを与えてあげようとしたのだと思いました。
ところで、ド素人の私が畏れ多くも敢えて、このラストシーンの前に追加して欲しいと思ったシーンがあります。それは、縁側で佇む義時が白日夢の中で、目の前に兄である北条宗時が現れ、「義時、お前にはずいぶんと無理をさせちまったようだな。すまなかったなぁ。。」と労うシーンがあれば、恐らく涙腺崩壊していたような気がします。
それにしても、やはり義時が政子に漏らした想いを聞くと、あらためて以前にも書いた義時=エレンが重なってしまいます。(アニメではこれから最終章となる『進撃の巨人』のネタばれになってしまうのですが…)
義時は、「この世の怒りと呪いを全て抱えて、私は地獄へ持っていく。太郎のためです。私の名が汚れる分だけ北条泰時の名が輝く。」
エレンもまた、始祖の巨人の力で「地ならし」という世界を滅ぼすような行動を取り、世界中の怒りと憎しみを自分一人で抱えようとしました。そのことで、エルディア人、もっと言えば彼の大切なミカサやアルミン、友人たちが世界の英雄となるように仕向けたのです。
そして、義時は愛する家族=姉・政子に、エレンは愛する幼馴染=ミカサにより、最期を迎えることになります。2人とも、誰にも真似のできない壮絶な生き様だったのでは無いでしょうか。。
★過去記事にも少し書いていましたよ。
ちなみに、やはり総集編がありますので見逃した重要エピソードを改めて確認しておきたいと思います!
関連情報 関連番組 12/29(木)&12/31(土)&1/2(月)放送!「鎌倉殿の13人」~総集編~ | NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
※よろしければ、ポチっとしてもらえると嬉しいです!
※大河ドラマの解説本はこちらからご購入できます